
・海外に資産を持ちたいけど、国によってルールが違うので分かりにくい
・海外に住むときに税金をどこに払えばいいのかを勉強したい。
そこで本記事では、次のことをお伝えします。
・属地主義と属人主義とは?
・日本人はどっち?
・属地主義と属人主義で起こるよくある質問
にお答えしていきます!
知識なく海外で経済活動をすると、色んなところで法律のリスクが生まれるので、まずは税金に係る属地主義と属人主義から学んでいきましょう!
属地主義と属人主義

属地主義と属人主義は世界各国の納税地基準の判断基準で、その人がどこで納税するか?を決めるものです。国ごとに属地主義と属人主義に分かれますが、概念としては以下の通り。
属地主義は、法律の適用範囲を自国領域内に場所的に限定する考え方
属人主義は、国民は領土外においても自国の法が適用されるという考え方
もっと簡単に言うと、
属地主義:居住している国にて課税
(例:日本、シンガポール、香港)
属人主義:保有国国籍にて課税
(例:アメリカ、フィリピン)
という違いです。
日本は属地主義の為、日本人が海外に移住すると、その移住先の国で納税します。なので、富裕層の方はシンガポールやドバイなど低税率国に移住する方が多いわけですが、属人主義を採用しているアメリカなどでは、アメリカ国籍を持っている人は、常にアメリカで課税されます。その為、シンガポールやドバイなどに移住するのは属地主義の国の人(日本も属地主義)の人が多く、属人主義の国の人は少ない傾向にあると言われています。

日本で働くアメリカ国籍の同僚が、日本ではなくアメリカで納税するのはそういうことか!
でも、日本人がシンガポールに移住すると、移住後はシンガポールに納税しますよね。この違いは属地主義と属人主義が理由です。

属地主義と属人主義には問題点が沢山ある

ただ、属地主義と属人主義には問題点も多いのが現実です。
日本は属地主義で居住の要件は「日本に住所を置いていること」ですが、もし仮にアメリカ人が日本に来て住所を持って住む場合はどうなるのでしょうか?
アメリカは「アメリカ国籍を持っている人」はアメリカに納税してくださいという属人主義なので、ここで対立が生まれます。
日本からしても、日本で稼いだお金は日本に納税してくださいよ…となりますよね。
ここからは、属地主義と属人主義で生まれるよくある質問についてお答えしていきます。
属地主義と属人主義についてのよくある質問Q&A

ここでは、属地主義と属人主義について、次のようなよくある質問にお答えします。
①アメリカ人が日本で収入を得た場合の納税地は?
②日本とシンガポールの2国に居住地ある場合は?
③「年間半分以上海外にいたら、日本で納税しなくていい」はホント?
④年間185日シンガポール、180日日本にいた場合の納税地は?
⑤租税条約がない国で経済活動した場合はどうなる?
①アメリカ人が日本で収入を得た場合の納税地は?
日米租税条約にて、詳細規定があり、原則アメリカ納税。
アメリカの税率が高い為、収入を隠す人が多かったので、その為に、アメリカ人の口座情報を世界中から徴収する為に、2013年からFATCAを発動しています。
FATCAについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
②日本とシンガポールの2国に居住地ある場合は?
日星租税条約にて、詳細規定があり、居住性が強い国で納税。
日本の居住要件は「日本に住所があること」
シンガポールの居住要件「年間183日以上はシンガポールに住むこと」
よって、属地主義同士の国でも要件の基準が異なるので、海外課税というのはとても複雑な仕組みです。
③「年間半分以上海外にいたら、日本で納税しなくていい」はホント?
うそです。
これはシンガポールの居住要件が強く出回っているのは原因です。属地主義の国でも各国によって、居住要件が変わるので、その国のルールを確認しましょう。
日本は「年間○○日以上住みましょう」という日数の規定は一切ありません。
各国で二重課税にならないように定められているのが租税条約です。要件は国によって、異なります。
④年間185日シンガポール、180日日本にいた場合の納税地は?

さすがに両国とも譲りたくない条件ですね。
1年の半分を東京と大阪で過ごしているのと変わらないのに、国を跨ぐだけで大きな問題になりますね…
こうなると、183日以上シンガポールにいるけど、日本にも住所があるので、どちらの国でも納税の対象になってしまいます。
この時に発動するのが、日星租税条約です。
まず大前提として「居住性が強い」というのは、滞在日数の前に、どちらのほうが収入が大きいですか?経済性が強いですか?という質問が第一に敷かれます。
年間で稼いでいるお金がシンガポールの方が多ければ、シンガポール課税
↓
同額であれば、その次に滞在日数で判断される
↓
そこも50:50であれば、日本とシンガポールで話し合い

日本とシンガポールは租税条約があるので、二重課税は起きません。そこがメリットなので、シンガポールに移住する富裕層の方も多いと、言われています。
⑤租税条約がない国で経済活動した場合はどうなる?
二重課税されまくり…な現状です。
ルールがないので、判断の基準がありません。
そのため日本から永住権を取って、海外に出る人の中でシンガポールに移住する人が多い理由です。
まとめ

グローバル化により、海外で働く機会も増えた方も多いと思います。
コロナ禍も落ち着いてきたので、旅行だけではなく海外に移住したり、永住権を取られる方も多いと思いますが、やはり無視できないのが「税金」の問題です。
知識持たずに出国してしまうと、後に大きな問題になったり、二重課税を払う羽目にもなりますので、行く国の条件をしっかりと調べてから行かれることをおすすめします。
