
・「パナマ文書」が何かを知りたい
・「パナマ文書」の発端は?
・アメリカとパナマ文書の関係とは!?
2016年に問題になった「パナマ文書」。パナマ文書は、所得税や法人税を払っている経営者や海外に法人を持つ方にとっては重大なことで、過去の歴史を知る必要があります。
今回は、パナマ文書とは何か、事件の発端と問題点、さらに今も言われているアメリカとの関係について詳しく解説します。
パナマ文書とは?

パナマの法律事務所モサック・フォンセカ(Mossack Fonseca) によって作成された、租税回避行為に関する一連の機密文書です。
事件の経緯は、以下の通りです。
法律事務所モサック・フォンセカ(Mossack Fonseca)
匿名で1,150万件の機密文書が流出
↓
南ドイツ新聞
↓
国際調査報道ジャーナリスト連合(略称ICIJ)
※アメリカの非営利調査団体CPIのプロジェクトの1つ
世界の100を超える報道機関に公開
↓
事件が世界に広まった
パナマ文書の何が問題なのか?

この機密文書は、タックスヘイブンと呼ばれる極めて税率の低い地域に富裕層や政治家・スポーツマンが資産を置いていることを明らかにするものでした。
タックスヘイブンは、日本語に直すと「租税回避地」と呼びます。
租税回避自体は合法ですが、税金が安い国に法人を作って資産を移動すると、自国に納税しない、もしくは少額税金を回避している事を疑われます。
この報道の中に多くの著名人や有名企業、首相の名前があり、大きな問題となりました。
次々に非難される人たち
パナマ文書によって大きな影響を受けたのは、アイスランドのグンロイグソン首相が挙げられます。自国の模範となるべき人が、税金逃れをしていることが分かり、国民から大避難を浴びて辞任に追い込まれる事態になりました。
またウクライナで大手菓子グループを所有し「チョコレート王」とも呼ばれる、当時大統領のポロシェンコ大統領の名前もあり、大きな問題となっています。
中国では、習近平国家主席の義理の兄が関与していると、インターネットの情報規制を強化しています。

中国では「パナマ文書」と検索しても、何も出てこないように規制がかかったそうです。
幸い日本の政治家の名前はありませんでしたが、有名企業や日本人の名前が多く記載されていました。
日本政府は「パナマ文書を調査することない」としていますが、公表されている企業名を記載しておきます。
【日本企業】
・電通
・大日本印刷
・JAL
・住友林業
・ライブドア
・オリックス
・野村証券
・セコム
などなど…
そして「パナマ文書」は、アメリカがイギリスに仕掛けた金融戦争という疑惑が未だにあります。その理由は、パナマ文書に登場する人の所在地や銀行口座の所在地と言われていますので、続いてパナマ文書で発表された統計を紹介していきます。
パナマ文書に登場する人たちの主な所在地は?
パナマ文書に登場する法人の株主ら(企業・個人)の主な所在地は以下の通り。
- 香港:5万4065件
- スイス:4万2531件
- 中国:2万8755件
- 英領ジャージー島:2万4203件
- パナマ:2万1808件
- 英国:1万5045件
- 英領バージン諸島:1万3581件
- ルクセンブルク:1万2279件
日本は439件で65番目に多かったそうです。

ここで世界の経済大国のアメリカの企業・個人が上位にないのが疑問となりました。
パナマ文書に記載された銀行口座の主な所在地は?
パナマ文書に登場する銀行口座の主な所在地は以下の通りです。
- 英領バージン諸島:11万3648件
- パナマ:4万8360件
- バハマ:1万5915件
- セーシェル:1万5182件
- ニウエ:9611件
- サモア:5307件
- 英領アンギラ島:3253件

実はアメリカにもデラウェア州、ネバダ州がタックスヘイブン地域なのですが、アメリカの報告はないです。
まとめ

以上が、パナマ文書が問題となった原因でした。パナマ文書によって、タックスヘイブンが注目され、税制規制が世界的に厳しくなりましたが、その背景には、アメリカが仕掛けたイギリスへの金融戦争という見方もあります。
事実は分かりませんが、タックスヘイブン地域がイギリス領に多く、世界の富裕層のお金がイギリスに集まるのをアメリカが阻止したという見方もできます。
この後にアメリカがFATCAという制度を世界に敷いたので、「パナマ文書」によって世界の金融情勢は大きく変わりました。
FATCAとそれにかかわるCRSについては、以下の記事に記載しましたので、併せて参考にしてください。
パナマ文書によって世界の金融情勢は大きく変わりましたが、資産形成やビジネスを行う上で世界のルールを知っておくことも重要です。
